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執筆者の写真: 日髙 岳
日髙 岳
10月1日
読了時間: 5分

がんになっても、仕事を辞めなくていい環境をつくる


がんは、仕事を引退した後の世代だけの病気ではありません。

厚生労働省によると、がん患者の約3人に1人は20代から60代でがんに罹患しており、仕事を持ちながら通院している方も多くいます。


一方で、がんと診断された後に退職・廃業した人は就労者の19.8%。さらに、そのうち56.8%が初回治療を開始するまでに退職・廃業しています。

つまり「がんになったら仕事をどうしよう」という問題は、治療が始まってからではなく、診断された直後から始まっています。


だからこそ企業側にも、

「治療が必要になった社員が、仕事を辞める以外の選択肢を持てる環境をつくれないか」

という視点が必要だと私たちは考えています。

実際、国も「治療と仕事の両立支援」を進めており、2026年度からは事業主による治療と就業の両立支援が努力義務となっています。


もちろん、保険に加入すれば治療と仕事の問題がすべて解決するわけではありません。

休暇制度、勤務時間、業務内容、職場の理解、本人の体調、医療機関との連携など、必要な支援は一人ひとり異なります。

その中の一つとして、私たちは「治療費に対する不安をできるだけ小さくする」という方法を選びました。

社員が病気になったときに初めて考えるのではなく、元気なうちから会社として準備しておく。

これもこれからの中小企業に必要な「治療と仕事の両立支援」の一つではないでしょうか。


がん治療と仕事、会社の福利厚生についてよくある質問


Q. がんになったら仕事を辞めなければならないのでしょうか?

いいえ。がんと診断されたからといって、必ず仕事を辞めなければならないわけではありません。

現在は通院しながら治療を続けるケースもあり、治療方法や本人の体調、仕事内容などによっては、仕事と治療を両立できる場合があります。

重要なのは、診断された直後に一人で「もう仕事は続けられない」と判断してしまわないことです。

まず医師に今後の治療予定や仕事への影響を確認し、そのうえで会社と勤務方法などについて相談することが大切です。

※むしろ休暇制度や公的な制度を利用するにあたってパニック退職をしてしまったがゆえに対応策の範囲が減少することもあります。


Q. がん治療をしながら仕事を続けることはできますか?

可能な場合があります。

ただし、がんの種類や進行度、治療方法、副作用、仕事内容などによって状況は大きく異なります。

短時間勤務、勤務時間の変更、休暇、業務内容の変更など、会社側が働き方を調整することで治療と仕事を両立できるケースも考えられます。

会社側も「働ける・働けない」の二択ではなく、「どうすれば治療しながら働けるのか」という視点を持つことが重要だと思います。


Q. がんになった場合、治療費はどのくらい心配する必要がありますか?

治療内容によって大きく異なります。

公的医療保険が適用される治療については高額療養費制度などがありますが、すべての費用が公的制度だけで賄われるとは限りません。

また、治療中の収入減少や交通費など、治療費以外の経済的負担が発生する場合もあります。

そのため「治療費」だけでなく、「治療中の生活や仕事をどう維持するか」まで含めて考えておく必要があります。


Q. 会社は、がんになった社員のために何ができますか?

会社ができる支援は保険だけではありません。

休暇制度、短時間勤務、時差出勤、業務内容の調整、相談できる体制づくりなど、さまざまな方法があります。

そしてもう一つの方法が、福利厚生として社員のがん治療に備える仕組みを用意することです。

当社ではその選択肢の一つとして、社員全員を対象としたがん保険を会社負担で導入しました。


Q. 中小企業でも、社員向けのがん保険を福利厚生として導入できますか?

できます。

企業の規模だけで決まるものではありません。

契約条件などの確認は必要ですが、中小企業でも法人として従業員のがん治療に備える方法があります。

むしろ一人ひとりの社員が担う役割が大きい中小企業だからこそ、病気による長期離脱や退職は、本人だけでなく会社にとっても大きな問題になります。

福利厚生を「社員へのサービス」だけでなく、人材を守り、事業を継続するためのリスク管理として考えることもできます。


Q. 福利厚生としてがん保険を導入すると、採用や人材定着にも意味がありますか?

保険を導入しただけで採用や定着につながるとは限りません。

ただし、給与や休日だけではなく、

「社員が病気になったとき、会社はどうするのか」

ということも、会社が社員をどのように考えているかを表す一つの要素だと思います。

私たちは、元気なときだけではなく、大きな病気になったときにも安心して治療と仕事について考えられる環境をつくることが、長く働ける会社づくりにつながると考えています。


Q. 従業員のがん対策や福利厚生について、会社は何から始めればいいですか?

最初から保険ありきで考える必要はありません。

まず、

「社員ががんなどの大きな病気になったとき、現在の会社の制度で何ができるのか」

を確認するところから始めるのがよいと思います。


休暇制度、休職制度、治療中の勤務方法、収入減少への備え、治療費への備えなどを整理すると、自社に不足している部分が見えてきます。

そのうえで、就業規則や社内制度で対応するもの、社会保険などの公的制度を利用するもの、民間保険で補完するものを分けて考えることが重要です。


当社でも自社で実際に制度を導入した経験を踏まえ、中小企業の福利厚生やがん治療と仕事の両立についてご相談をお受けしています。

※治療と仕事の両立に関する数値・制度については、厚生労働省「仕事と治療の両立支援」「治療と仕事の両立について」等を参考にしています。治療方法や就業の可否は個々の状況によって異なりますので、医療については主治医等の専門家にご相談ください。

 
 
 

治療と仕事の両立を支える福利厚生

社員ががんになったとき、会社にできること。

このたび株式会社信興グッドフェイスでは、社員全員を対象として、会社負担でがん保険を導入しました。

これは単に「福利厚生を一つ増やした」という話ではありません。


私たちが考えたのは、

もし、一緒に働いている社員ががんになったら、会社として何ができるだろうか。

ということでした。


がんになった社員に、「お金」を理由に治療を諦めてほしくない

がんと診断されたとき、本人や家族にはさまざまな不安が生まれると思います。

病気は治るのか。 どんな治療があるのか。 仕事は続けられるのか。 家族の生活はどうなるのか。

そして、現実的な問題として出てくるのが「治療にいくらかかるのか」という不安です。

日本の公的医療保険には高額療養費制度があります。

一方で、がん治療には、公的医療保険の範囲だけではなく、先進医療や自由診療などが選択肢になる場合があります。

また近年では、がん細胞の遺伝子変異を調べ、その人に合う治療薬を探す「がんゲノム医療」も進んでいます。

もし自分や家族ががんになったとき、

「治療方法はある。でも費用の問題で選べない」

という状況になったら。

私たちは、そこに会社としてできることがあるのではないかと考えました。

「治療するか」ではなく「どの治療を選ぶか」を考えられるように

今回、会社として導入したのが、セコム損害保険のがん治療費用保険「メディコム」です。

この保険の大きな特徴は、一定額の給付金を受け取るという考え方だけではなく、所定のがん治療に実際にかかった費用を補償するという点です。

公的保険診療に加えて、所定の自由診療なども補償対象となります。

また、条件を満たすがん遺伝子パネル検査なども補償対象となる場合があります。

私たちが特に重要だと思ったのは、この部分でした。

がんになってから、

「この治療は高いからやめておこう」

と考えるのではなく、

まず医師と相談して、

「自分には、どんな治療の可能性があるのか」

を考えられる環境をつくりたい。

治療の選択肢を、できるだけ経済的な理由だけで狭めてほしくない。

それが今回の導入理由です。

社員を失いたくない。それも会社としての本音です

そして、もう一つ理由があります。

社員は、会社にとって大切な人材です。

特に私たちのような中小企業では、一人ひとりが長い時間をかけて経験を積み、お客様との関係を築き、それぞれの役割を担っています。

もし社員ががんになったとして、

治療費への不安から仕事を辞めなければならない。 無理をして働かなければならない。 十分な治療を受けることをためらってしまう。

できる限り、そんな状況にはしたくありません。

がんになっても、まず治療に向き合う。

治療しながら働けるのであれば、会社もできる限りそれを支える。

治療を終えたら、また安心して戻ってくる。

そんな会社でありたいと思っています。

福利厚生は「何があるか」ではなく、「なぜ用意するか」

福利厚生というと、住宅手当、食事補助、健康診断、レジャー施設など、いろいろな制度があります。

もちろん、それぞれに意味があります。

しかし私たちは今回、

「社員に本当に大きな問題が起きたときに、会社として何ができるのか」

という視点から福利厚生を考えてみました。

社員が元気なときだけ必要とする会社ではなく、病気になったときにも「この会社で働いていてよかった」と思える会社にしたい。

そして、社員だけではありません。

その社員には家族がいます。

一人の社員を守ることは、その人の家族の生活を守ることにもつながります。

だから今回の保険料は、全員が加入できるように会社が負担することにしました。

中小企業だからこそ、考えておきたいこと

今回、自社で導入してみて改めて感じたことがあります。

こうした仕組みは、大企業だけのものではありません。

むしろ、一人の社員が長期間働けなくなることの影響が大きい中小企業だからこそ、

「社員が大きな病気になったとき、会社としてどうするのか」

を元気なうちに考えておく意味があると思います。

これは、単なる福利厚生の話ではありません。

人材の定着、治療と仕事の両立、そして事業を継続していくという意味では、会社のリスク管理の一つでもあります。

私たちは保険代理店です。

だから、お客様に保険を提案するだけではなく、

「自分たちだったらどうするのか」

をまず実践してみることにしました。

社員ががんになったとき、

治療費の心配よりも、まず治すことを考えてほしい。

できるだけ多くの選択肢の中から、自分に合った治療を医師と相談してほしい。

そして元気になったら、また戻ってきてほしい。

そのための仕組みを、会社として準備しておく。

これが、信興グッドフェイスが今回この福利厚生を導入した理由です。

そして同じように、

「社員が大きな病気になったときに、会社として何かしてあげられないだろうか」

と考えている経営者の方がいらっしゃれば、こうした方法があることも知っていただければと思います。

福利厚生は、社員募集のためだけにあるものではありません。

社員を大切にするという会社の考え方を、具体的な仕組みにするものだと私たちは考えています。

がん治療と福利厚生のF&Q 株式会社信興グッドフェイス


 
 
 
執筆者の写真: 日髙 岳
日髙 岳
9月18日
読了時間: 3分

2026年8月の高額療養費制度改正について(医療保険を見直す前に知っておきたいこと)



2026年8月に高額療養費制度が見直され、月額上限の変更と年間上限の新設が行われました。公的医療保険で補える範囲、対象外となる費用、民間の医療保険を点検するときの注意点を、宮崎県・高鍋町の保険代理店が分かりやすく解説します。生命保険や医療保険の重複・不足を考える際の確認項目も紹介します。



2026年8月、高額療養費制度が見直されました


病気やけがで医療費が高額になったとき、家計の負担を一定範囲に抑える

「高額療養費制度」が、2026年8月診療分から見直されました。宮崎県・高鍋町にお住まいの方も、まず公的保障の内容を知り、そのうえで貯蓄や民間の医療保険が必要かを確認することが大切です。


高額療養費制度は、公的医療保険が適用される医療費について、

年齢や所得に応じた自己負担上限を超えた額が支給される仕組みです。今回、

月額の自己負担上限が見直される一方、

長期療養に配慮して新たに「年間上限」が設けられました。


月ごとの上限と、新しい年間上限


厚生労働省によると、2026年8月からの制度では、70歳未満・年収約370万円~約510万円の方が医療費100万円の治療を受けた場合、自己負担は約9万3,000円まで抑えられる例が示されています。ただし、実際の上限額は年齢・所得区分などで異なります。


また、2026年8月からは、8月から翌年7月までを1年間として計算する年間上限が新設されました。月ごとの自己負担が積み重なり年間上限を超えた場合、超過分について保険者から還付を受けられる仕組みです。


直近12か月で高額療養費に3か月以上該当した場合、4か月目以降の上限が軽減される「多数回該当」もあります。今回の見直しでは、この金額は据え置かれています。



公的制度だけでは対象にならない費用もあります


高額療養費制度があるから、入院時の支出がすべて上限内に収まるとは限りません。一般に、次のような費用は高額療養費の計算対象外となります。


・入院時の食事代

・本人が希望した場合の差額ベッド代

・先進医療の技術料

・通院の交通費や日用品代

・療養中の収入減少


家計への影響を考えるときは、「医療費」だけでなく、

「制度対象外の費用」と「働けない期間の生活費」まで分けて考える必要があります。



医療保険は公的保障を確認してから点検


民間の医療保険は、公的制度を補う手段の一つです。ただし、制度改正を理由に直ちに新規加入や増額が必要になるわけではありません。現在の貯蓄、勤務先の福利厚生、加入中の医療保険・がん保険、家族構成によって必要な備えは変わります。


確認したい項目は次のとおりです。


・自分の年齢・所得区分での自己負担上限

・入院給付金や手術給付金の支払条件

・先進医療特約の有無と対象範囲

・働けない期間の収入を補う制度や保障

・保障が重複していないか、保険料が家計を圧迫していないか


保障内容の整理は信興グッドフェイスへ


株式会社信興グッドフェイスでは、公的医療保険の内容を踏まえ、現在の生命保険・医療保険がご家庭の状況に合っているかを一緒に整理します。見直しは、保障を増やすことだけが目的ではありません。重複や不足を確認し、無理のない備えに整えることが重要です。




※本記事は制度と保険に関する一般的な情報です。具体的な自己負担額、給付条件、必要保障額は、年齢・所得・加入制度・契約内容などにより異なります。


情報確認日:2026年9月8日

 
 
 
ブログ: Blog2
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