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「がん治療」という「福利厚生」

執筆者の写真: 日髙 岳
日髙 岳
2 時間前
読了時間: 5分

がんになっても、仕事を辞めなくていい環境をつくる


がんは、仕事を引退した後の世代だけの病気ではありません。

厚生労働省によると、がん患者の約3人に1人は20代から60代でがんに罹患しており、仕事を持ちながら通院している方も多くいます。


一方で、がんと診断された後に退職・廃業した人は就労者の19.8%。さらに、そのうち56.8%が初回治療を開始するまでに退職・廃業しています。

つまり「がんになったら仕事をどうしよう」という問題は、治療が始まってからではなく、診断された直後から始まっています。


だからこそ企業側にも、

「治療が必要になった社員が、仕事を辞める以外の選択肢を持てる環境をつくれないか」

という視点が必要だと私たちは考えています。

実際、国も「治療と仕事の両立支援」を進めており、2026年度からは事業主による治療と就業の両立支援が努力義務となっています。


もちろん、保険に加入すれば治療と仕事の問題がすべて解決するわけではありません。

休暇制度、勤務時間、業務内容、職場の理解、本人の体調、医療機関との連携など、必要な支援は一人ひとり異なります。

その中の一つとして、私たちは「治療費に対する不安をできるだけ小さくする」という方法を選びました。

社員が病気になったときに初めて考えるのではなく、元気なうちから会社として準備しておく。

これもこれからの中小企業に必要な「治療と仕事の両立支援」の一つではないでしょうか。


がん治療と仕事、会社の福利厚生についてよくある質問


Q. がんになったら仕事を辞めなければならないのでしょうか?

いいえ。がんと診断されたからといって、必ず仕事を辞めなければならないわけではありません。

現在は通院しながら治療を続けるケースもあり、治療方法や本人の体調、仕事内容などによっては、仕事と治療を両立できる場合があります。

重要なのは、診断された直後に一人で「もう仕事は続けられない」と判断してしまわないことです。

まず医師に今後の治療予定や仕事への影響を確認し、そのうえで会社と勤務方法などについて相談することが大切です。

※むしろ休暇制度や公的な制度を利用するにあたってパニック退職をしてしまったがゆえに対応策の範囲が減少することもあります。


Q. がん治療をしながら仕事を続けることはできますか?

可能な場合があります。

ただし、がんの種類や進行度、治療方法、副作用、仕事内容などによって状況は大きく異なります。

短時間勤務、勤務時間の変更、休暇、業務内容の変更など、会社側が働き方を調整することで治療と仕事を両立できるケースも考えられます。

会社側も「働ける・働けない」の二択ではなく、「どうすれば治療しながら働けるのか」という視点を持つことが重要だと思います。


Q. がんになった場合、治療費はどのくらい心配する必要がありますか?

治療内容によって大きく異なります。

公的医療保険が適用される治療については高額療養費制度などがありますが、すべての費用が公的制度だけで賄われるとは限りません。

また、治療中の収入減少や交通費など、治療費以外の経済的負担が発生する場合もあります。

そのため「治療費」だけでなく、「治療中の生活や仕事をどう維持するか」まで含めて考えておく必要があります。


Q. 会社は、がんになった社員のために何ができますか?

会社ができる支援は保険だけではありません。

休暇制度、短時間勤務、時差出勤、業務内容の調整、相談できる体制づくりなど、さまざまな方法があります。

そしてもう一つの方法が、福利厚生として社員のがん治療に備える仕組みを用意することです。

当社ではその選択肢の一つとして、社員全員を対象としたがん保険を会社負担で導入しました。


Q. 中小企業でも、社員向けのがん保険を福利厚生として導入できますか?

できます。

企業の規模だけで決まるものではありません。

契約条件などの確認は必要ですが、中小企業でも法人として従業員のがん治療に備える方法があります。

むしろ一人ひとりの社員が担う役割が大きい中小企業だからこそ、病気による長期離脱や退職は、本人だけでなく会社にとっても大きな問題になります。

福利厚生を「社員へのサービス」だけでなく、人材を守り、事業を継続するためのリスク管理として考えることもできます。


Q. 福利厚生としてがん保険を導入すると、採用や人材定着にも意味がありますか?

保険を導入しただけで採用や定着につながるとは限りません。

ただし、給与や休日だけではなく、

「社員が病気になったとき、会社はどうするのか」

ということも、会社が社員をどのように考えているかを表す一つの要素だと思います。

私たちは、元気なときだけではなく、大きな病気になったときにも安心して治療と仕事について考えられる環境をつくることが、長く働ける会社づくりにつながると考えています。


Q. 従業員のがん対策や福利厚生について、会社は何から始めればいいですか?

最初から保険ありきで考える必要はありません。

まず、

「社員ががんなどの大きな病気になったとき、現在の会社の制度で何ができるのか」

を確認するところから始めるのがよいと思います。


休暇制度、休職制度、治療中の勤務方法、収入減少への備え、治療費への備えなどを整理すると、自社に不足している部分が見えてきます。

そのうえで、就業規則や社内制度で対応するもの、社会保険などの公的制度を利用するもの、民間保険で補完するものを分けて考えることが重要です。


当社でも自社で実際に制度を導入した経験を踏まえ、中小企業の福利厚生やがん治療と仕事の両立についてご相談をお受けしています。

※治療と仕事の両立に関する数値・制度については、厚生労働省「仕事と治療の両立支援」「治療と仕事の両立について」等を参考にしています。治療方法や就業の可否は個々の状況によって異なりますので、医療については主治医等の専門家にご相談ください。

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